[スポンジブレーキの正体]
[ミッション ガッチャガチャ]
[スポンジプレーキの正体]
[オイルの怪]
[キャブレター調整方法ヒント]
[キャブレター調整方法ヒント]
[減速時のハンドル振れについて]
[F・ブレーキ3分アジャストメント]
[キックペダル焼付き事件]
[社外ピストン焼付き多発]
[W1S危機一髪]
[パクサ vs クリメカ]
[部品供給・現在過去未来]
[あばたもエクボ]
[ハイオクガソリンは燃えにくい?]
[R50に4本マフラー?]
[愛車に新品キャブを奢ったら]
[オイルはなぜ汚れるのか?]
[BMW十戒]
[新型か、旧型か!?]
[よい燃料、よい圧縮、よい点火]
[スピードメーター]
[マルチグレードオイル]
[オイルの粘度]
[ギアオイル]
[右手にざるそば、左にアクセル]
[マイク・タイソン ホンダでコケル]
[メッサーシュミット、冬将軍に破れる]
[カブキックを知っていますか]
[閑話休題]
[目にくるメチル]
[グリップラバーの交換]
[エアスクリュー]
[タンクに石ころ?]
[ドイツのくそガキ]
[バッテリーターミナル]
[BMWモデル発展経過]
★ディスク編
フロントのディスクパッドとマスターシリンダーのインナーキットを交換したが何時間がんばってもエアーが抜けず困ったという話を聞きました。
多走行車のブレーキディスク面を見るとパッドが当たる面が摩耗していてパッドの当たらないエッジ部分との差が歴然としています。
またレコード盤の表面のように細かな溝ができています。
この状態でパッドのみを交換するとパッドの当たりが出てディスク盤の形状に合うまでスポンジータッチの頼りないブレーキになります。
またパッドを別銘柄に換えるとパッドの大きさ形状が微妙に違うため、恐ろしくスポンジーなブレーキになることがあります。
(イラスト参照)
極端に摩耗している場合は最低板厚をクリアーしていてもディスクローターを交換するかブレーキ業者や市中の金属加工業者へ研磨を依頼します。
穴なしディスクなら旋盤加工で再生できます。
ディスクを加工に出す時はディスクの厚みが全面均一になるよう同じ段取りで内外面を研削するよう指示して下さい。
そのほかよく知られている例としてはブレーキホースの膨張があります。 特にハードな走行をするとホースが柔らかくなりタッチが悪くなります。
ステンレスメッシュホースにすると改善されます。 ATEのディスクブレーキは可動部分のみをラバーホースにしていました。
もっともタッチはよくなかったようですが・・・・
★クラッチを握ると消えるアイドル時の音
ボクサーオーナーなら一度は気にされる事と思いますが新車時には聞こえないギアボックスからのカタカタ音、旧タイプではR50・R60は出ませんがR69Sは出ます。
音の出所はギアボックス内でギアのバックラッシュです。 いろいろ考え合わせると音の原因は高圧縮比と二気筒であることに起因するようです。
4気筒、6気筒、V8、12気筒と多気筒になればなるほどクランクの回転は滑らかに等速度回転に近づいてきますが二気筒ではまだまだ不円滑です。
点火膨張行程の時に勢いが付き圧縮行程で勢いが落ちギアボックス内でギアが遊びます。 設計時に遊びを減らせばよいのですがシフトチェンジが困難になります。
アイドリングを上げれば回転が円滑になってくるので音は出難くなりますが・・・ 新車の時はギア中心のブッシュが渋いのでギアは遊びません。
音が出てきたら正常に当たりが付いてきたと認識しましょう。
並列4気筒もキャブバランスが狂っているとクラッチやギアからかなりの音が出てきますが同調をとれば消えます。
バックラッシュは正常な作動音ですのでオーバーホールしてベアリングを交換しても消えません。 ラッシュ時の路線バス内部を想像して下さい。
停止・発進のたびに前後の人にぶつかります。 アイドリング時のBMWもギアボックス内で似たような事が起こっています。
★ドラム編
レストア車に多く見られる例としてブレーキを軽くかけた時にドラム内でシューの当たる部分と当たらない部分ができて制動時にググッググッと効いてしまいます。
特にフロントの場合はスマートに停止できずに気疲れします。 原因はドラム内面を研削する際にセンターが出ていず偏芯しているためです。
ドラム内面が段付き摩耗していたり、摺動面が荒れていて加工に出す場合はアクスルシャフトを持参するかハブの固定具を製作してもらい偏芯しないよう指示して下さい。
ほんの少しの偏芯でも乗り心地に大きな影響が出ます。 赤信号の停止寸前にグラツキつい足を出してしまうのはあなたの運転テクニックのせいではなく、
多くはブレーキ関係、ステアリングやホイールのベアリング劣化に起因します。
★マイナー銘柄ほど高価?!
オイルほどライダーの意見が別れる物はありません。 100%化学合成がよいとか、ワイドレンジほどよいとか、シングルがよいとか、固いオイルほどよいとか、
一番安いオイルを頻繁に替えたほうがよいとか、高いオイルを減った分だけ足せばよいとか植物性がよいとか、まともに聞いていたら頭の中がパニックになってしまいます。
この15年間でもカストロール、バルボリン、ペンゾイル、ベルレイ、BP、スペクトロ・・・・数え切れない銘柄が登場してきました。
なかにはオイル交換不要の深海魚エキス配合なんてのもあったような気がします。
バイクショップで扱うオイルは有名ブランド品から新規のマイナー品に変わっていく傾向があるように思います。
ブランドが浸透していくとホームセンターなどで並行輸入の信じられないバーゲン目玉商品価格で出回ります。 ショップとしては値崩れを起した商品は扱いづらく、
耳新しい新規ブランド品へ転換していくようです。
聞くところによるとアメリカ・ペンシルバニア産の原油がモーターオイルとしてはベストでマルチよりシングルグレード品がよいようですが扱いが難しそうです。
クラシックバイクの場合はマルチグレードオイルでも固めのものが適しているようです。
旧タイプの場合はオイルフィルターが装着されていませんので少なくても3,000km距離が伸びなくても6ヶ月で交換しましょう。
BMWは国産4気筒車などと比較するとオイル消費が多いのでまめにオイル量の点検をしましょう。 データでは100km走行でで最大で100ccオイルを消費するようです。
★キャブ同調
1.
左右のエアーパイプを外す エアークリーナー側とキャブ側のラバースリーブ(R50・60)にCRCー556をかけると抜けやすい。
2.
キャブ上部のアジャストスクリュー(イラスト A)を一杯にねじ込む。
3.
アイドルストップスクリュー(B)をスライドピストンが完全に戻るまで緩める。
4.
スロットルグリップが完全に戻っているか確認する。
5.
キャブ上部のアジャストスクリュー(A)を調整してケーブルの遊びを2mm程度にする。
左右同じ遊び量になるよう調整する。
6.
外したエアーパイプ側からスライドピストンの動きをチェックしてスロットルを回した時に
左右同時にピストンが持ち上がる事を確認する。
−−−> 左右の同調完了
7.
アイドルストップスクリューをねじ込んでスライドピストンが動く瞬間の位置を出す。
左右同じように調整
8.
アイドルストップスクリューを左右同じ回転だけねじ込む たとえば2回転半この際に元
の位置が判らなくなり易いのでマジックインキや補修用ッチアップペイントなどでマーキ
ングすると同調が合わせやすい。
9.
エンジンを始動させてアイドリングの状態に合わせる。回転が高い時は左右同じ量だけストップスクリューを戻す。低い時は逆にねじ込む。
アイドリング回転になればキャブレターの同調完了です。
上記は冷間時の調整なので走行後の温間時のアイドリング状態をみて高いようなら適切な回転まで戻す。
旧タイプの場合アイドリング回転は指定されていませんが、概ね600から800RPMぐらいでしょうか。
★アイドリング時の混合気の調整
旧型のフロートカバー(燃料ホースがフロート室の中央に入っているタイプ)は経年変化で信頼性がなく調整不能と思って下さい。
1.
アイドルミクスチャーアジャストスクリュー(MAS)のロックナット(C)を緩めマイナスドライバーで無理しない程度に一杯にを締め込む。
2.
基準戻し量の2回転を戻す。 1/4回転づつ緩めたり締め込んだりして回転の変化をみる。 回転が上がりすぎた場合は左右ストップスクリューを調整して回転を下げる。
基本的には回転が一番高いところでスクリューを固定するのですがアクセルを開けてみてつながりがスムーズか、試乗してみて加減速がスムーズかチェックします。
本来は左右の戻し回転数が一致しているはずですが、いろいろな事情で狂いが出る事もありますので左右無理に合わせる必要はないと思います。
ただし左右とも戻し量が1〜2.5回転の範囲に入っているべきです。 マニュアルでは片側づつプラグキャップを外して回転の変化がないように調整するようです。
3.
スロットルグリップの遊びが多すぎる場合はグリップ部の巻取りギアの位置を確認する。 場合によってはギアを一山ずらす。
4.
キャブ調整後はアイドリング状態でハンドルを左右に一杯にきりケーブルが引っかかったり吹け上がったりしないか確認する。
何時間、何日かけても良い結果は出ません。
旧タイプからモノレバーのR80ー100RSまで残念ながらハンドル振れが起こり易いように思われます。
1970年の5シリーズ以降のモデルはステアリングヘッドにテーパーローラーベアリングを採用していて耐久力をアップしています。
しかしながら新車より5,000Km程でベアリングのあたり、部品のなじみがつき、そのまま走行していると特に減速時にハンドルが振れ出します。
ベアリング部に所定のトルクを与えればハンドル振れはなくなります。
以前聞いた話だと(2本サスRSの時代)ヘルメットのシールドを締めようとして片手を離したとたんにハンドルが振れ転倒した云々 旧タイプについてはアライメントの狂い、
リムの振れ、ホイールバランスの狂い、タイヤの偏摩耗、タイヤパターンの不適、ホイール・スイングアームピポッド・ステアリングなど各ベアリングのガタなどがハンドル振れ
の誘因になりますがフリクションダンパーが付いているので(R50・R60)ほんの軽く締めて抵抗を与えていれば振れは起こりません。
しかしダンパーの構成部品に遊び、ガタがあると軽く締め付けても振られやすくなります。 下記の要領で点検して下さい。
センタースタンドの下に厚めの合板などを入れ後輪を押さえてフロントを浮かせます。 フリクションダンパーをそこそこ締めてハンドルを左右にゆっくりと動かします。
イラスト内のボルトAやBが緩んでいないか確認する。 A−A’とB−B’のガタを確認、本来ならガタはないのですが絶えず当たっているので長時間経過すると摩耗を起して
過大なクリアランスが出来てしまう。 ガタがある場合の簡単な対策はセンターポンチなどでプレートの穴の周辺を数箇所叩き穴径を狭くする。
ボルトとのクリアランスを確認しながら作業すること。
この手当でサイドカーの性質の悪いハンドル振れもピタリと止まります。 ただしハードなブレーキをかけた時にステアリングヘッドあたりから “コキッ” と音がするようなら
ベアリングが傷んでいるのでベアリング交換します。 リアホイール、リアスイングアームの不具合がハンドル振れに繋がると聞いたこともあります。
★ブレーキ同調
ブレーキケーブル下端のアジャスト部ナットを締め込んでいき、ブレーキレバーの遊び(レバー先端で20mmぐらいか)を出します。
この時、ブレーキが片効きしていても構いません。 ブレーキパネル前方のブレーキアーム横のロックナット(13か14mm)を緩め小型モンキーなどで中央のボルト
(内部がエキセントリックのカムになっている)を廻し二つのブレーキアームが同時に作動するような位置でロックナットを固定する。 コツとしてはレバーを握りカムを止まる
(ブレーキ内部ではカムがロアーシューに当たっている)まで廻し、少し戻してナットを固定する。 ブレーキレバーを離して二本のアーム作動を確認。
戻し量(角度)でアームの作動が変わります。 上記の方法で同調できない場合(後方のアームのみが作動してしまう)はリターンスプリングが逆に付いているか同じ物が
付いていますのでホイールを外して確認する。 アームの作用角度(フリーポジションからブレーキが効く位置まで)が30度以上ある場合はライニングが減っているにで張り替えます。
新品のライニング厚は約4mmです。 ケーブル下部のアジャスターで遊び調整ができない場合はブレーキアームを外してセレーションを一山ずらす。
ケーブルの長さが足らない場合は逆の手順で対応。 元の位置が判らなくなるのでアームを外す前にマジックインキで合マークを付けると良い。
(ポンチでもよいが跡が残ってみっともない)
★再始動時ペダル降りず
ある時、お客様より電話があり高速走行後にキックペダルが降りず再始動不可との事、来店してもらい店頭でキックを降ろそうとしたら、なるほどキックペダルがびくとも動きません。
結論からいうと、ピストンクリアランスが不適で軽い抱き付きを起していました。 以前オーバーホールした際に業者の知識不足から寸法指示を間違ったようです。
当店で適切なクリアランスでボーリングしたらその後は快調です。
★熱膨張の違い
最近、純正ピストンが入手困難なためか社外ピストン(多くはイタリア製か)を使ったためにオーバーホール後しばらくして焼付くという事が起こっています。
手持ちの資料ではイタリア製ピストンは稼動温度での熱膨張が多いのでクリアランスを多くとるように指示しています。
具体的にはR50でマニュアル指定で0.05mmのところを0.08〜0.09mmにするようにと。
ちなみにR69Sのピストンクリアランスは0.08mmで高性能モデルのため他メーカーには見られないほど大きなクリアランスを必要とします。
5シリーズ以降のデータを調べたらモデルによりますが0.02〜0.03mmとなっています。 時代が変わっていますが大きな違いがあります。
膨張率が大きいピストンが一概に悪いとは言えませんが、使う部品が違えばマニュアルのデータは何の意味もありません。
某有名英車ショップ社長はマニュアルのデータを無視してピストンの首振り音が聞こえるぐらい大きなクリアランスを取っていると言っていました。
純正ピストンなんかとっくに無い古い英車の話しなので同じような状況だったのでしょう。 大きな出費の後の出費ですので泣くに泣けない状況になります。
重整備ほど充分知識を持ったショップへ依頼しましょう。
★車輌火災の顛末
15年前、私は赤のWISに乗っていました。 ある朝、当時バイクで通勤していた、いつものようにティクラーを押しておもむろにキックしたらタンクの下で異変が発生。
なんと火が出ているではありませんか。 あわててコックをオフにして火を消そうとしたけれどタンク下の空間なのでなかなか消えません。
そうこうしているとなんと火が左右連結の燃料ホースに移ってしまい、タンク内の燃料がちょろちょろ出てきて火の勢いが増してきました。
玄関横の洗濯機に水が張ったままになっていたのを思い出して、たまたまあったバケツ2回で何とか鎮火しました。
バイクは可燃物だとあらためて実感しました。 出火原因はキャブ下部のオーバーフローチューブが劣化硬化していたので取ったままにしていて、
キャブ下方にあるポイントの火花が引火した物でした。 ポイントカバーはたびたび外していたので一部が欠落していて燃料が入り込んだようです。
不必要だと思っていたドレンチューブにも意味がありました。 当時カワサキの4気筒400ccが人気があり、キャブドレンチューブから燃料が洩れるクレームが多くありました。
ある時、エンジン不動の400が入庫して、オイルドレンを取ったら8リッターぐらいのオイルが出てきました。
原因は燃料洩れのクレーム電話をたまたま居た営業がとり「ドレンチューブを結べば直る」と言ったためでした。
★1時間一本勝負
サドルのゴムカバーを交換しようと奮闘していました。 あの手この手で一時間、なかなかうまく行かず、サドルと一緒に熱い風呂に入るしかないかなーと思っていたところ、
手元にあったスプレーグリスをひとかけしたら、あら不思議すんなりフレームに収まりました。 適材適所、意外な物が役に立ちました。
★クリメカ的見解
純正部品がどんどん無くなってきているので今後BMWを維持していくため、大量ストックを持った方がよいでしょうか?
10年来BMW旧車パーツの供給を見ていると今まで入手できなかった部品が安価に出回っていたり、粗悪リプロ部品しか入手できなかったのに高品質部品が発売されたり、
マーケットはいつも変化しています。 大きな流れとして 従来、欧米でも旧車専門店など無く古くからのディーラーや好事家、マニアが細々と部品供給や車輌の収集をしていました。
当然欠品だらけで修理にも事欠く状況でした。 趣味の多様化、高性能化に対する反発、ノスタルジーなどから(一部は投資目的)旧車に注目が集まるようになってきました。
専門店ができはじめ旧ディーラーから在庫部品を買い集めたり、払い下げ車輌を集めたりで部品や車輌の集約化が進みました。
最近国内でも部品交換会など多く開催されるようになりましたが、欧米ではもっと頻繁に各地で行われていて中古部品が流通しています。
またBMW社自体が健在(英車各社は全滅)でその当時の部品供給メーカー現存しています。 BMW自体が扱わなくなっても需要があれば製品を供給するのは万国共通、
そこまでマーケットは大きくなっています。 欧米では中古部品のマーケットがあるので新品部品が無くても中古で間に合わせています。
即ち中古部品の流通があるうちは高価な高品質リプロ部品が売れないので旧共産圏やNIES各国などの安価なリプロ部品しか出回ってきません。
中古品の流通が無くなると価格が通るので高価でも高品質なEU製品がリリースされます。 よい部品が出てくるまでの過渡期は苦労しますが長いめで見ればノープロブレムです。
当時のデッドストック品は年々減ってきますがBMWを維持していくための部品は今後も問題無く供給されていくでしょう。 現に10〜15年前より今日の方が部品供給が速やかです。
10年前の国産車の方が今後車輌維持が難しくなってくるでしょう。
★レストア車に心を奪われそうになったら
奇麗な物を見つけると心穏やかではありません。 それが自分の所有物になる可能性があればなお更です。
美しくメイクアップされたBMWがあなたの前に現れたら心を完全に奪われる前になぜそんなに美しいか考えてみましょう。
もしかしたら、ベースがかなりのメダカブスさん(掬いようも無い)で十仁病院でお世話になり頭の先から爪先までシャネルで固めなければお店勤めできない娘かも知れません。
お店の帰りに飲みすぎで青空ベンツ(自転車)から転げ落ち足を折り、やぶ医者にかかって少しずれてくっついてしまってるかもしれません。
10年20年お付き合いできるあなたにふさわしい方か慎重に選びましょう。 店長さんはその娘の素性を本当はよ〜く知っています。
いろいろと細かいところまで聞いてみてください。 心奪われたあなたの目はもう節穴です。 辛口のお友達にも見てもらいましょう。
20年前友人より “ハイオクとレギュラー どっちが燃えやすいと思う?” そんな質問を受けました。
もちろんハイオクに決まっているよ 燃えやすいからハイパワーなんだから・・・・ いいえ違います。
ハイオクは燃え難いから高圧縮にできるレギュラーなら圧縮を上げると過早着火(プレイグニッション)、異常燃焼(デトネーション)を起してエンジンを壊してしまうと。
友人の答えは正解でしょうか?
★旧車はなんでもあり
欧米の専門店のストックヤードを覗くと日本では常識では考えられないような改造車があったりします。 カワサキZ1の4本マフラーが付いていたこともありました。
旧車は最近でこそ価値が認められていますが20〜30前まではただのガラクタです。
納屋に放置してあるホコリだらけの古いバイクを少年が見つければが流行にあわせて改造したくなるものです。
乗っていた親父からすれば、もう興味はないし息子に新車をせがまれるよりはましと考えるでしょう。 かくしてイージーライダーよろしく特大アップハンドルに三段シート、
ハデハデ缶スプレーでスター&ストライプ仕様こんなバイクは誰も買いませんが部品取りには最適です。 部品となり部品交換会に並んでいるとこでしょう。
★セッティングの必要性
アイドリングが安定しない、ガソリンが洩れる、回転が落ちない、ネジが潰れている・・・ キャブを交換すれば効果抜群のはずですが、なかなかドンピシャとは行きません。
たとえばR69S用の新品キャブには#130(データでは#135)のメインジェットが付いています。
R50・R60用は#120(データではモデル、年式、キャブ型式により#105〜#120)が付いています。 左右の同調だけで完調になるのはまれなケースです。
スロー系の調整、ニードルのポジション、メインジェットの選定・・・・ 細かな調整方法はまたの機会に譲りますが、事実としてはバイクごとにセッティングが変わっていくという事です。
マフラーひとつ取っても純正と社外製品とでは排気効率が違います。 社外製品は一般に製品管理が甘いため製造する人によって、左右の違い、
ロットによっても製品のバラツキがあると思って下さい。 マニュアルのデータは重要ですがすべてではありません。 参考程度にとどめたほうが賢明です。
同様にマフラー、エキパイを交換したりエアークリーナーを交換する時もちょっと意識してください。
オイルの5大作業
1.潤滑と減摩
2.シリンダの密閉
3.エンジンの冷却
4.付着したスラッジなどの洗浄と分散
5.防錆と防触
条件・気象・車両コンディションによりますが、約2,000〜5,000km走行すると400lのガソリンがエンジン内で燃焼します。
そうすると、
☆360gの水蒸気が発生します
☆12g〜40gの不燃焼ガスが発生します。
☆230g〜900gのスラッジが発生します。
☆100g〜1,800gの酸化生成物(カーボンやスス)が発生しまいす。
☆約3,600`gの空気が必要です(エンジン内のホコリの混入は避けられません)
(エンジンオイル内の不溶解物「スラッジ、カーボン、スス、ホコリ」が4%を越えるとオイルは使用限界となります)
このように、オイルは絶えず厳しい条件下におかれてます。
[オイル交換はお早めに]
1 BMWはただそれだけのモノ、単なる道具であると知るべし。
2 BMWを人生の友として尊敬の念を持って所有すべし。 またBMWを仲立ちとして同好の人々と会話すべし。
3 BMWに乗っての近所の散歩と、世界の果てを行く冒険とは、 実は同じ旅であると知るべし。
4 BMWは一台にて満足すべし。 いっぺんに二台に乗れる訳でないと知るべし。
5 BMWをガレージの飾りとせず、BMWは乗るためにあるものと知るべし。
6 BMWを高級バイクと思うべからず。 またBMW以外のバイクをけなすべからず。
7 不必要に多くのBMWを所有すべからず。
8 BMWの傷、外見の醜悪、価格の高低にこだわるべからず。
9 故障したBMWをまちがっても近所のバイク屋等に修理に出すべからず。
10 BMWに乗って、中古外車ショップの前に必要時間以上立ち止まるべからず。
1922年春ヨーロッパ。 バイエルンの空に昼までも明るく認められる超新星が出現した。 この星の名は最初“ヘリオス”と名づけられ、後にBMWと呼ばれ、
人類の記憶に永くとどめられることになった。 BMWバイクの誕生である。 以来、BMWは次々とその改良型を世に送りだしてきた。 BMWの進歩が、
そのまま人類のバイクの進歩だった。 およそ世界のバイクは二種類に分類できる。 それはBMWと、BMWでないバイクである。
戦前の日本バイク工業界にとってBMWは夢であり、戦後にあってはそれは目標とする頂点のバイクであった。 日本だけでなく、世界のバイク工業界はBMWを真似て、
彼らのバイクを作ったりもした。 それらはBMWコピーと呼ばれ、現在ではマニアやコレクターにとっての貴重なコレクターズアイテムとなっている。
20世紀の申し子である飛行機の異母兄弟として生まれたBMW。 そのシンプルな形態はBMWの父、マックス・フリッツの設計によるものだが、
そのデザインを見ているとこれは何か超自然的な力が創り出したのではないかとすら思われる。 かくして、BMWの神は存在するのである。
BMWが不思議なのは、戦前に作られたBMWでも現代の最新モデルとさして変わらない手触りで、そのまま乗れることだ。
現在では世界に誇る日本のバイクであるが、それらは第二次世界大戦以降の産物である。 戦前に作られた日本製バイクはすでに機構上の不具合、
素材の粗悪さ等によって作動不能なものが大半である。 それどころか、戦前のバイクの残骸が残っていた、というだけでミュージアムアイテムになってしまう。
戦前から1950年代にかけての日本製バイクはすでに歴史的記念物になってしまったのだ。 BMWの魅力はエンジンにある。
1920年代のBMWエンジンも、1950年代のBMWエンジンも、すべてが1998年の現在でも実に気持ちよく動かせるのだ。
これはもっと知られてよいBMWの楽しみ方なのである。
新型とは5シリーズ以降のBMWの意味だ。 これはセル付きで迅速なエンジン始動ができる。 一方で旧型はもちろんセルなしのキックオンリーだ。
新型はテレスコだし、旧型はアールズ・フォークだ。
一体、どちらがいいのだろう!? まさに人生ふたつの生き方の分かれ道で迷っている図であるが、この手の質問は実はかなりのBMW上級者の口から発せられる質問なのだ。
普通の初心者の人だとBMWが欲しいという気分だけで、すでにその欲望が満タンになってしまい、その先を考える余裕というものがない。
BMWにそんな多様なちがいがあるとは思っていないせいであろうが、BMWなら何でもよいというタイプだ。 こういう相談者に私がBMWなら、
やはりその操作感を極めるのなら、アールズ・フォークの旧タイプBMWがすばらしいなどと薦めてしまうと、あとでとんでもないとばっちりを受けることになる。
後日の電話で「先日、買ったBMWだけど、自分ではとても使いものにならないので、近所のバイク屋に引取ってもらい国産バイクに買いました」 という事後報告である。
聞いてみれば旧タイプでは、エンジンをかけるのにはコツが必要だし、ブレーキも効かないし、やっぱりセルが付いていないと不便で仕方がない。
それに乗ってみると、どうもアールズ・フォークは乗りにくいような気がするというのである。
そういう初心者の方々というのは、もともとBMWなどは持つがらではないし、初めからBMWとは一生縁のない幸せなバイク生活を送れる人々であったのが、
何かの間違いで、この日本の経済が昔に比べると倍以上の購買力を持つようになった結果として、関係ないBMWを手にするはめになってしまった、
言わば不幸な人々なのだ。 BMWが国民のひとりひとりに行き渡ってしまうことは、決して幸せな「BMW社会」の到来ではない。
BMWは、それを本当に必要とする人間の手に「希薄」な状態で存在するのが一番正しい。 それ故、もしあなたがBMWが欲しくて、しかもBMWに経験がない人なら、
私は文句なく新型BMWを推薦する。 それも500ccから650ccまでのフラットツインだ。
その理由はセル付きだし、テレスコフォークなので、訓練すれば一応は乗りこなせることになる。
「でも、BMWの一番すばらしい時代というのは、例のアールズ・フォークの旧タイプまでで、最近のものになるほど作りが良くないっていうじゃないですか」。
これはどこかのBMWマニアからの受け売りだ。 そこでBMWで大切なのは、そんな気分や雰囲気ではなくて、それを乗りこなせることがひたすら大切であることを強調して、
初心者のみなさんには新型、それも650ccまでのものを手に入れていただくようお願いする。
すなわちBMWに乗っていながら、BMWの良さ、魅力を十二分に引き出せないような最悪の状況にだけはならないための、これは最低条件なのである。
さて、あなたが中級を自認するBMWファンならば、私も遠慮は要らない。 あなたがキックでエンジンをかけることに慣れていたり、さらに旧車を操作する術に熟達しているなら、
もっとプリミティブで使いごこちの楽しいBMWを推薦しよう。 すなわちBMW、R50である。 R50は、旧タイプBMWの元祖である。
言い換えれば1955年に登場したR50にごちゃごちゃとした市場のニーズに答えていろいろ「便利な装備とパワー」を付けていったらR69Sになりました、
新型になりましたという進歩なのだ。 それ故、R50はシンプルで、余計なものがついていないのがすばらしい。 特にエンジンだ。 Sタイプのようなガサつさはまるでなく、
内燃機関とは信じなれないような回り方をする。 R50こそがBMWであり、まさにBMWなのだ。 いずれにしても、旧タイプの基本的な操作ができるようになるのが3週間、
使いこなすのに3ヶ月、自分の一部として感じるようになるには少なくとも3年はかかると覚えておこう。
★より快適に乗るためのヒント
よい燃料、よい圧縮、よい点火 −−− この三要素がエンジンに求められています。 この要素が充分に満たされていれば、多少、点火時期が狂っていれも、
始動する気配ぐらいは感じられます。
1 よい燃料 −− 古いガソリン、いや元ガソリンと言うべきもので、これは揮発性がなく不純物以外の何物でもない。
これががタンクに残っていると、せっかくキャブレターで正確に計量されても数パーセントは不純物なのでキャブセッティングが薄い状態と同じになります。
急激にスロットルオンするとストールしたり、ツキも悪く、アイドリングも不調になります。 単純に考えると2〜3回ガソリンを満タンにすれば解消しそうですが、
多少薄まるだけで、解消しません。面倒でもタンクを外して良く振り、ガソリン全部を廃棄しましょう。 この時、下水に流してはいけません。
ハーレーダビッドソンを路上で整備していた人が下水にガソリンを流してしまい、しばらくして、たばこの吸い殻を下水に捨てた途端、近辺のマンホール十数枚がすっ飛んだ、
というニュースをみました。
2 よい圧縮 −−−−− コンプレッションゲージで圧縮測定ができますが、特殊工具・測定機器の要らない判定法は、
エアクリーナーパイプ(キャブとエアークリーナーの間)を外して内部が黒くなり湿っていれば吸気側のバルブのあたり不良が考えられます。
このパイプなしでエンジン始動すると混合気が吹き戻るので確認できます。 シリンダーヘッドカバーの内側が真っ黒になっているのはやはりバルブあたり不良で燃焼ガスが
バルブガイドを通ってエンジン内部に入り込みます。 この状態になるとオイルスリンガーにスラッジが溜まり、ベアリング類に負担を掛け、エンジン寿命を縮めます。
圧縮が洩れていた方が始動が楽だったり、アイドリングが安定(圧縮抵抗がないので)していることもあります。
バルブクリアランスはマニュアルでは吸気側0.15mm,排気0.20mm(ともに冷間時測定、調整値)
3 よい点火 −−−−− よい点火とは適正な時期に強い火花を飛ばし、回転が上がるに従い適正に点火時期を調整(進角)します。
A ハイテンションコードが硬化劣化していると点火プラグ脱着のたびにプラグキャップ接続部にストレスがかかり接触不良を起します。
特に低回転で失火しやすく、アイドリング不安定の一要素です。 この場合はプラグキャップを左回しではずし、コードをニッパーで1cmほどカットして再装着すると改善します。
B イグニッションコイルの劣化、マグネトー点火で専用品以外流用できないこと、設置場所が温度が逃げにくい電装カバー内で過酷環境下にあることで劣化が早い。
特に高温多湿で市街地走行の比率が高い国内においては劣化をより早めます。 典型的症状は始動・再始動困難、
アイドリング不安定、スロットルワイドオープン時(高負荷時)の失火による不追随、バラツキ(不正爆発)などです。
劣化の判断はテスターによる抵抗測定のほか、30分以上走行後にコイルを押してみて熱を持って柔らかくなっているようなら交換時期です。
電装品は走行距離に関わらず10〜15年が交換時期の目安でしょう。
C コンデンサー不良 パンク、断線、はんだ付け不良などの接触不良でコンデンサーの機能が喪失しているとエンジンがバラツキまともに回転が上がりません。
判断方法はポイント接点が白く荒れていて穴があいています。 またエンジン始動させるとポイント面に激しく火花が飛びます。 修理方法は断線していれば配線作り直し、
外見上問題がないような時は良品に交換してみて判断ください。
D 進角ガバナーの不良 進角とは混合気に点火してから爆発燃焼するまでに一定の時間がかかります。 R50ーR69Sの場合、上死点前9°に点火し、
燃焼のピークが上死点付近になります。 アイドリングから最高回転まで10倍前後の開きがあり、発電機などとは違い、どの回転域でも十分な出力を求められます。
回転数にあった最適な点火時期を設定するのが進角ガバナーでドイツでは遠心力調整機とも呼ばれています。
アイドリング回転時(およそ500〜750RPM)でフライホイール外周のSマークに合わせる。 回転を上げると進角が始まり(進角開始はおよそ1,200RPM)
およそ5,800RPMの時にFマークに合います。 スプリングが長いとアイドリング時にカムが遊びアイドリング不調になります。
スプリングが細いとはやく進角してしまいノッキングを起します。 スプリングが太いと進角が遅れ加速が悪くなります。
★点火時期の調整
A フライホイールの “S” (独SPAT=遅いの意)マークのラインとチェックホール左側にある切り欠きを一致にさせる。 その時、
マグネトーホルダーの切り欠きとマグネトーローターのマークが一致していることを確認する。 このローターはテーパー接続でキーなどで位置決めしていない為、
脱着時にずれて固定されていることがある。
B イグニッションコイルからのケーブルとコンデンサーからのケーブルをコンタクトブレーカー端子より外す。
サーキットテスターのマイナスコードをクランクケース部(アース)へクリップ、プラスをポイント端子(稼動側のハンマー)へクリップ。
接点が離れてメーターが無限大になった時にチェックホール部のSマークが合っていること。 この時、プラグを外し、
ギアーをローに入れリアタイヤを手で動かしながらクランキングさせる方法とダイナモ固定ボルトをレンチで回す方法がある。
ポイントギャップは0.35〜0.4mm,接点が荒れている場合はポイントヤスリ(なければ釣り針用も可)で整える、荒れがひどい場合は交換するか、
外してオイルストーンで整える。 点火時期の微調整は点火コイルホルダー左右にあるSW(対辺)10mmのナットを少し緩め、クランク回転方向(遅くなる)、
または反対方向(早くなる)へ廻してSマークに合わせる。
C 左右点火時期のずれ、マニュアルではクランク角で2度以内が許容範囲です。 フライホイール外周で換算すると約4mmです。
ずれが2度以上ある場合はガバナー内径のピンKEYやローターの切り欠き部分にメクレや荒れがないか点検、またローターの偏芯がないかクランキングしてチェック、
振れのある場合はテーパー内外を点検して、キズがあれば丁寧に修正する。 振れが直らない場合は振れの山の部分をプラスティックハンマーで軽く叩き芯を出す。
カムシャフト自身が偏芯している場合はがり、ローター端面の荒れ、歪みがあるとボルト締付けトルクにより不具合を起します。
荒れやキズがある場合はオイルストーンで丁寧に修正します。
粗悪グリス、不適切な潤滑剤が使われているとガバナー内径部で固着して不調の原因になりますので洗い油などで洗浄してエアガンで
吹付けシリコングリス等の耐熱性のある良質な潤滑剤をローターシャフト、ガバナー内径部へ軽く塗ります。 粘りの強いものは適当ではありません。
D R69Sの場合 ーーーーー 1964以前のモデルは点火時期が上死点前12°に設定されていました。 もちろん刻印(Sマーク)もその位置に打たれている。
ガバナーの変更で他のモデルと同じ上死点前9°に変更なりました。 ディーラー等で刻印を打ち直してある物もあるようですが、ガバナーが交換されていて、
そのままの状態で点火時期を調整するとノッキングやオーバーヒートの原因になります。 心当たりのある方は一度調べて下さい。
正規の上死点前9°はフライホイール外周で18mmになります。 つまりOTマークからSマークまで18mmです。
クランクケースの点検窓は(ゴムキャップが付いているところ)16mm径なので上から下迄でクランク角度で8°に相当します。
ちなみに12°は約23.5mmに相当します。 9°にマークしておけば次回の調整の時に便利です。
★減速比とタイヤサイズ
純正ファデオ(VDO=ファオ・デー・オー)メーター内には減速比が少数で記載されています。 わかりやすいようにリストにしてみました。
入手不可能のタイプも数多くあります。
デフ歯数 減速比 リアタイヤサイズ 速度計 W モデル
25:8 3.13 3.50−18 0.75 R50−69S
25:8 3.13 4.00−18 0.715 R50−69S
27:8 3.38 4.00−18 0.77 USモデル
25:7 3.57 3.50−18 0.86 官公庁・50S
27:7 3.86 4.00−18 0.9 側車用
26:6 4.33 4.00−18 1.0 側車用
35:11 3.18 3.50−18 0.75 R69・50初期
32:11 2.91 3.50−18 0.7 R60初期
27:6 4.5 3.25−18 1.08 R26・27
25:6 4.16 3.25−18 1.0 R26・27
26:5 5.20 3.25−18 1.25 R26・27側車用
32:9 3.56 3.50−19 0.9 R67/2
35:9 3.89 3.50−19 0.95 R51/3
35:8 4.38 3.50−19 1.1 R67/2側車用
32:7 4.57 3.50−19 1.5 R51/3側車用
★ベースオイルの違い
たとえば、10Wー30のオイルはシングル#10のオイル粘度で高温時には各種添加剤の効果で#30オイルの性能を維持しているということです。
あくまでもベースは#10なので高温になれば粘度はさらに落ちます。 20Wー50のオイルは数字だけ見ればシングル#50オイルの代用が出来そうですが、
粘度の問題では使用不可です。
★間違っても5Wー50なんかは入れないで
最近カーショップではシングルグレードはもちろん20Wー50のオイルを見つけるのも難しくなっていきました。 近年の自動車設計の傾向は粘度の低いオイルで内部抵抗を減らし、
オイル交換時期を伸ばして、対環境、経済性、高効率化に対応しています。 オートバイの世界では工作精度のアップ、大量生産によるコストダウン化、
高性能オイルポンプの普及などで1970年を境にクランク支持がベアリングからメタルに変わりました。 これに従いオイル吐出量の多いトロコイドポンプが採用されました。
それまでのプランジャータイプや旧タイプに使われているギアポンプは吐出量が低く、そのうえ高速巡航などのエンジン高温時にはオイル粘度が下がり、吐出量が落ちます。
最近のワイドレンジのオイルなどはオイル自体が高性能でも旧タイプでは十分に潤滑されないので問題外です。
また化学合成オイルを使用するとオイル洩れを起すといわれています。 一流ブランドオイルの#40(夏場や側車付きは#50)がベストです。
マルチグレードの場合は20Wー50をお勧めします。 まちがっても5Wー50なんかはご遠慮ください。
1967年にオイルシールとラバーブーツのゴム質の変更で今までのギアオイルから、より高品質のギアオイルが使用可能になりました。
当時のオイルシールやラバーブーツが現役で活躍しているとは考えにくいので交換の際は重荷重用のギアオイルGL−5規格を奢りましょう。
部位 容量 旧 新
トランスミッションオイル 800cc SAE 40 SAE 90
シャフトオイル 150cc SAE 40 SAE 90
ファイナルギアオイル 150cc SAE 40 SAE 90
★カブそば屋スペシャル?
昔、そば屋の出前は近所なら自転車で右手にざるそばを掲げていました。 自転車がカブに変わっても左手ではざるそばを運べません。
友人は左アクセル車があったといいますが、私は見た事もないし、信じませんでした。 ところが最近、古い雑誌で有名な「ナイセストピープル、
ホンダに乗る」の広告を見たところ、カブに乗る10人ほどのイラストに3人は右手に荷物やフランスパンを持っていて左手でコントロールしているではありませんか。
本当にあったんですかねー? 道交法が改正になり片手運転は違反になり、左アクセルはこの世から消え去ったと言いますが・・・
★ハーレーダビッドソンは白人最後のとりで?
新聞でボクサーのタイソンがバイクで転倒してアバラと肺がパンクしたとのこと、乗っていたバイクはホンダの1,100ccとあり、ハーレーもどきのシャドーのようです。
ハーレーダビッドソンは白人が乗るもので黒人は乗れないと、以前お客さんより聞きました。 確かに黒人が乗っている写真や映像を見た事がありません。
イージーライダーも白人ヒッピーです。 人種差別うんぬんはさて置き、ホテルのプールに入れないとも聞いたし、タイガー・ウッズがプレーできないゴルフ場が沢山あるようで、
タイソンの新聞記事を呼んでいて、やっぱりそんなこともあるのかなと妙に納得してしまいました。
★極寒ロシアでエンジン始動せず
大戦中、ソ連に侵入したドイツ空軍は冬の到来とともに抜群の精度を誇る飛行機が具合が悪くなってきました。 想定外の低温でオイル粘度が上がり、クランキングせず始動しません。
ソ連機は変わらず飛来します。 精度が悪いガタピシ機械が寒い地域に合っている? ウラル、ドニエプルを見ているとそう思いますが、真実はソ連軍はエンジン停止後、
オイルを抜き、あらかじめ暖めたオイルを始動前にエンジンに注入していたそうです。 生活の知恵はすばらしいものです。
聞くところによると、寒さの為に雪は砂利状態になってしまいタイヤチェーンが必要ないそうです。 必要ないから売っていないのか、物がないから売っていないのか真実は???
★勢いだけではないキック方法
配置薬のバイトをしていたKくんのカブがエンジン始動に手間取り出かけられません。 見るとひ弱なキックをしているではありませんか。
キック始動に絶対の自信がある私がでしゃばり、力いっぱいにキック、あれれ? クランキングできません。 クラッチが滑っていて力任せでは始動できません。
そこで覚えたことはクラッチと相談しながら滑り出す寸前の力でできるだけ長くクランキングする術です。 名づけて “カブキック” です。 実はBMWにもたまに見かけられます。
クラッチの切れが悪い為、目いっぱいにアジャストを効かせケーブルの遊びがほとんどない状態にしているのでカブキックでないと始動しません。
この状態が続くとクラッチ損傷以外にもクランク/ギアボックスシール劣化によるオイル洩れが発生して無用な出費を余儀なくされます。
クラッチ引き摺りは他に原因がありますのでキッチリ直しましょう。
★メイドのみやげ
筑波博でコンパニオンをしていた帰国子女のA子さん(英会話学校の先生) パビリオンでいかにも田舎から出てきたおばあさんに一緒に写真を撮ってくれないかと声をかけられ、
聞けば「メイドの土産にする」とのこと、どう見てもメイドなどまったく縁がないようにみえたが、にっこり笑顔で、はいパチリ! もちろんメイドはメイド・イン・ジャパンのメイドでなく、
人魚マーメイドのメイドです。 マーはドイツ語でメアー、英語だと語尾がついてマリーン、そう “海” のことです。
コメットさんみたいに若いメイドさんもいるかもしれませんがイメージではおばさんです。 まあ、いい年の大人を掴まえて “ボーイさん” と呼ぶし、旅館の仲居さんには
“お姉さん” だし面白いものです。
★ハイオクガソリン
オクタン価上昇剤(オクタンブースター)として以前は皆さんご存知のように鉛を使っていました。 環境保護の為、有鉛が廃止になりしばらくハイオクガソリンはなかったように思います。
最近はMTB(メチル・ターシャリー・ブチル・エチレン)と言うものを使用しています。 室内で作業していると目が痛くなる、目にくるメチルです。
また芳香族(アロマティック)=アルコール系(ベンゼンなど)も使用しているのでレギュラーガソリンにはない独特の匂いがある。
なれるとバイクの近くに行くとハイオクを入れているかレギュラーか判ります。 日露戦争日本海大海戦で東郷平八郎を乗せた旗艦三笠は戦勝会には姿を見せませんでした。
港に停泊中、火災、爆発を起し沈没してしまいました。 原因は船員がランプのアルコールを飲もうとし、誤って落とし火災を起し、弾薬庫に引火したそうです。
こんなことが頻繁にあったからかどうか、アルコール燃料はエチルからメチルに変わりました。
漫画「おれは鉄平」で宝捜しの親父が「あれは目が潰れるからイカン」と言うシーンがありました。
★長ねぎの泥カワとり
高校生の頃、愛車CB250Tホークのハンドル交換をしようと、コンチハンドルを買ってはきたけれど、左グリップラバーの外し方が分りません。
新しいグリップを用意してあればカッターで切ってしまえばよいのですが、ハンドルを買う金はあってもグリップまでは買えません。
考えた挙げ句、台所からママレモンを持ち出し、グリップラバーの元をドライバーで広げ、そこに注入、液が全体に行き渡るようにシゴくとスッポンと見事とれました。
この方法の唯一の欠点は洗剤を洗い流すと滑らないのでハンドルにうまく入りません。 洗剤が付いているとスムースに奇麗に装着できますが、いつまで経っても固着しません。
後年、バイク屋に就職して、こんなに簡単にグリップ交換ができるなんてと驚いたことを思い出します。 エアガンをハンドルとのすきまに差込み空気の膜をつくり一気に抜き取ります。
装着も同じ要領でほんの10秒の作業です。 近年、八百屋でもドロネギを見つけることが少なくなりました。 手でドロカワを剥いていたら日が暮れてしまいます。
コンプレッサーで空気を圧縮してねぎに当て皮をすっ飛ばしているようです。 バイク屋でグリップ交換を見ていた人が発明したような気もします。
ちなみに、ゴムの弾力があるうちはピッタリとハンドルに固定するので接着剤は不要です。 コンプレッサーが無い場合は接着剤を潤滑剤の代わりにさせます。
接着剤なのでママレモンと違い時間が経てばキッチリ固定されます。
純正マグラの綾目(ヤスリ目)グリップは使っているうちに山が無くなってきて、素手なら滑りませんが、グラブごしだと滑ってつかれます。 2年ごとの交換をお奨めします。
バーエンドミラー、バーエンドウインカーが付いているなら、社外のオープンエンドのグリップ(スーパーバイク用で純正マグラタイプの製品が出ています)
やR1100用のグリップを使えば加工不要です。 クリメカではグリップ保持具をつくり、ホールソーで穴開け加工をしています。 ハンドカッターよりは数段きれいにカットできます。
★構造と調整
アイドリング域の混合比の調整を司っているのがエアースクリューやパイロットスクリューです。 両者の違いはエアーのみを制御しているのがエアースクリューで混合気
(ミクスチャー)の量を制御しているのがパイロットスクリューです。 旧タイプはエアースクリューです。 したがって捻じ込めば空気量が減り、混合気は薄くなります。
パイロットエアスクリューの場合は燃料(混合気:ミクスチャー)の流入量を制御しているのでエアスクリューと逆で捻じ込むと薄くなります。
ちなみにスロージェットの番手はR50ー69Sで#35です。 スクリュー戻し量はいっぱいに締め込んだ状態から1〜2.5回転戻しの範囲です。
★モータロイ信仰
整備するのみ燃料タンクを外す時がよくあります。 何やらカラカラと音がして、取り出してみると、何処から見てもそこらの石ころです。
このオーナー、モデルが変わっても、いつもカラカラです。 聞くとモータロイを入れているそうで、曰く“効果がある” とのこと。 今でも売っているそうですが......
★磨き抜かれた技
ドイツにいた時、市民プールの両替機の横に10歳ぐらいの少年二人、2マルク硬貨(200円硬貨とお考えください)を差出し “両替してくれ” と言う。
その両替機は2マルク硬貨にも対応しているので “両替機でやれ” と言うと、 “やってくれ” と言うので挿入口に入れると小銭が出る音、
少年が50ペニヒを取出すと3枚しかありません。 “足りない” みたいなことを言っているが、小銭を取出す動作を見てピンときたので取出し口を調べてみると側面に張り付いていました。
小銭稼ぎをしたいというよりは人をだましたいみたいな気持ちがあったのでしょう。
人のいない時に何回も何回もどうしたら自然な形で側面に小銭をくっつけられるか研究しているのでしょう。 どの国の少年も同じだなと感じました。
クリメカも同じような年頃、隣町に電車で行くのに、(当時10円)1円玉9枚をいっぺんに出し、切符を手にして喜んでいました。 すぐ後から駅員が走ってきて1円足りないと、
手にした1円を渡しました。 バレバレでした。
★外す時 付ける時
バッテリー充電やメンテナンスのため、バッテリーを外す必要がたびたび出てきます。 一部英車を除き、マイナスアースなのでターミナルを外す時はマイナスから。
プラスを初めに外すとブラブラしているプラスがフレームに当たり(ターミナルを外すまではシャーシはマイナスのままなので)ショートによるケーブル燃焼、
ガソリンへ引火と考えたくないことが現実に起こります。
ご注意を!!
行為 初めに 次に
はずす マイナスターミナル プラスターミナル
つける プラスターミナル マイナスターミナル
★イギリスの専門誌から(一部を訂正加筆)
★1950
R51/2 チェーン駆動左右個別カムシャフトの戦前型エンジン
アルミヘッド 延長型バルブロッカーアームボス コイルバルブ
スプリング 二分割ヘッドカバー クランクケーストップダイナモ
ダウンドラフトキャブレター 発展型ギアボックス テレスコフォーク
プランジャーフレーム
★1951
R51/3 ギア駆動シングルカムシャフト クランクエンド取付け
円筒形ダイナモ 一体型ヘッドカバー ギアボックスシェルトップエアークリーナー R51/2型フレーム
R67 R51/3の排気量アップバージョン
★1952
R51/3 ツーリーディングフロントブレーキ
R67 R51/3と同様のブレーキへ 出力アップ
R68 R67の発展モデル ツインリブラインのヘッドカバー
大型エアークリーナー
★1953
ツイン : 往復ダンピングフォーク フォークブーツ フルワイドハブ
R51/3,R68 アルミリム この年限りで製造中止
★1955
R50 アールズフォーク ダイアフラムクラッチ トリプルシャフトギア
ボックス フルハブツーリーディングフロントブレーキ
R69 R50にR68のエンジン
R67 サイドカー用として継続生産 プランジャーフレーム
★1956
R50,R69 変更なし
R67 変更なし この年限りで製造中止
R60 R50にR67のエンジン
★1957ー1959
R50,R60,R69 変更なし
★1960
R50 変更なし
R69 変更なし この年限りで製造中止
R60 R60/2へ発展 出力アップ 強化クランクシャフト
R50S スポーツタイプR50 ブリーザーの最適化
油圧ステアリングダンパー
R69S スポーツタイプR60 R50Sと同様の仕様
★1961
R50 R50/2へ発展 強化クランクシャフト
R50S,R60/2,R69S 変更なし
★1962
全モデル 変更なし
★1963
R50/2,R60/2 変更なし
R50S,R69S クランクシャフトへバイブレーションダンパー取付け
R50S この年限りで製造中止
★1964ー1966
R50/2,R60/2,R69S 変更なし
★1967
R50/2 対米仕様にテレスコフォーク ー> R50US
R60/2 R50/2と同様にR60USに この年限りで製造中止
R69S R50/2と同様にR69US
★1968
R50/2,R50US,R69S,R69US 変更なし
★1969
R50系、R69S系 変更なし この年限りで製造中止
この年新型モデルを発表
R50/5 500cc
R60/5 600cc
R75/5 750cc
オールアルミ合金エンジン クランクシャフト下部カムシャフト
4スピード 新型フレーム
テレスコフォーク ドラムブレーキ 500ccにセルスターターを
オプション設定 他モデルに標準設定
★1972
小型燃料タンク WM3ワイドリアリム W・シートのハンドレール変更
リアサスダンピング強化 オートリターンサイドスタンド
フライホイール軽量化
R75/5はローギア化
★1973
5シリーズ スイングアーム延長でロングホイールベース化
この年限りで製造中止
6シリーズ 9月に600、750、900とスポーツ900を発表
全モデル5スピード サイドカバー 油圧ステアリングダンパー
速度計、回転計を一体化したインパネ 警告灯類を中央に配置
R90S スポーツ900 コックピットフェアリング カウル付きシート
前Wディスクブレーキ
R75/6,R90/6 シングルフロントディスク
R60/6 ドラムブレーキ
★1974
全6シリーズ 排気量をサイドカバーに表示
★1975
全モデル F・フォーク強化 17mmフロントアクスル ドリルドディスク セルモーター強化 新型燃料コック 電装スイッチ変更
キックペダル廃止しオプション設定に
★1976
内部変更多数 静粛性向上のためクランクケース類にリブ取付け
大型オイルパン ワイドフォークステム 大型ブレーキシリンダー
前半期で6シリーズの製造中止で7シリーズへ移行
R60/7 ディスクブレーキ採用
R75/7,R100/7 シングルディスク
R100S W・ディスク R90Sと同様のコックピットフェアリング
R100RS フルフェアリング キャストホイールをオプション設定
★1977
R75/7 9月に800ccへ移行
R80/7 ニューモデル シングルディスク
50/55HP仕様あり(海外)
R100RS 9月にリアディスクブレーキ採用
キャストホイールを標準に
★1978
全モデル リンク式シフトチェンジ 電気式回転計
ハンドルバーカバー ウインカーブザー採用
ファーストエイドキットをシート下へ
R80/7,R100/7 W・ディスク
R100S キャストホイール リアディスク
R60/7 この年限りで製造中止 新モデルへ
R45、R65 ショーとストロークエンジン ギアボックスは流用
ドライブシャフトにトーションダンパー キャストホイール
前輪18インチ 前ディスク・後ドラム ショートフォークチューブと
スイングアームでショートホイールベース化
インストルメントコンソール 新型スイッチ類 22Lタンク
★1979
R80/R100系 キャストホイール R65タイプのスイッチ類と
ダンパー付きドライブシャフト
R100/7 オプションを標準にしてR100Tへ移行
R100RT 大型ツーリング用フェアリングを装備したニューモデル
★1980
変更なし この年限りでR80/7の製造中止
R80G/S 後半期に追加のトレールモデル モノレバーリアサス
前ディスク 2ー1排気系 小径ヘッドライト 前21インチ アルミリム トレールタイヤ
年末にR100TはR100へ R100SはR100CSへそれぞれ移行
★1981
R80G/S以外の全モデル 大型オイルパン R65タイプの
エアークリーナー 電子点火系 ハンドル部チョークレバー
排気バランスパイプ追加(2本へ) 新型マフラー R65タイプの
フォークへ 固定式ブレーキキャリパー
ハンドル上部マスターシリンダー
R100RT ニボマットを標準装備
R45、R65 ホイールベース延長
R65LS 後半期に発表 新型コックピットフェアリング カウル付き
スタイルドシート 新型前マッドガード W・ディスク
新形状キャストホイール ドロップハンドル
ビルトイングリップハンドル付きシート
★1982
R80STを発売 R100RTに800ccエンジンでR80RT発売
★1983
電子点火系を改良
★1984
全フラットツインモデルを製造中止(R80G/S,ポリスR80/7以外)
10月に“モノレバー”R80を発表
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